【2026年度診療報酬改定】個別改定項目をレセプト点検者の視点で読み解く

1月23日に行われた中医協総会で、2026年度(令和8年度)診療報酬改定に向け、総会では改定の基本方針および個別改定項目1に関する議論が本格化しています。

診療報酬改定は、点数の上下だけで語られがちですが、レセプト点検の視点から見ると
「何が評価され、何が求められ、どこが厳しくチェックされるのか」
という 制度の“意図”を読み取ること が極めて重要になります。

本記事では、中医協総会で示された個別改定項目について、
レセプト点検・算定実務にどのような影響が想定されるのかを軸に今回のポイントを解釈していきます。


2026年度診療報酬改定の基本的な方向性

今回の改定において、中医協が一貫して示している4つ基本方針とは

  • 物価高騰・賃金上昇への対応
  • 医療従事者の処遇改善(賃上げ)
  • 医療提供体制の持続可能性
  • 医療の質と効率性の両立

これらから読み取るキーワードとは・・・

〈今回のポイント〉
基本診療料の引き上げと物価高騰への対応
・歯科初診料・再診料の引き上げ
・【新設】 物価高への段階的対応として「歯科外来物価対応料」を新設 
歯科医療従事者の処遇改善(賃上げ)の推進
・【新設】 スタッフの賃上げを目的とした「歯科外来・在宅ベースアップ評価料」の新設
・【新設】 歯科技工士の処遇改善を支援する「歯科技工所ベースアップ支援料」の新設
ライフコースを通じた口腔機能管理の推進
・歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の算定要件および体系の見直し
・小児の咬合機能獲得を目的とした「小児保隙装置」の評価拡充(可撤式・修理等の新設)
歯周病治療の再整理と医科歯科連携の強化
「SPT」「P重防」を「歯周病継続支援治療」へ統合
・周術期・回復期における管理計画修正(計画策定料2)の新設
・歯科衛生士・歯科技工士の専門性発揮と連携
・【新設】 歯科衛生士による「口腔機能実地指導料」の新設
・歯科技工士との連携体制(対面・ICT活用)の評価整理
デジタル化の推進と補綴治療の適正化
CAD/CAM冠・インレーの要件緩和および「光学印象」の対象拡大
・【新設】「3次元プリント有床義歯」に係る評価の新設
局部義歯のクラスプ・バーにおける使用材料(コバルトクロム合金)の原則化
在宅・地域歯科医療の提供体制の確保
・在宅療養支援歯科診療所の施設基準および加算の細分化
・【新設】 歯科巡回診療車等を用いた「地域歯科医療加算」の新設

現時点で示されている個別改定項目は、あくまで「方向性」であり、実務に直結する解釈は今後さらに深まっていく段階にあります。

当社では、引き続き中医協の動向や関連資料を継続的に追跡し、改定内容がレセプト点検や算定実務にどのような影響を及ぼすのかについて、点数の増減だけにとどまらない実務視点での解釈をお伝えしていく予定です。

本改定に関する続報や、告示後の具体的な算定上の注意点、返戻・指摘につながりやすいポイントについても、随時情報を更新してまいります。
今後の解説記事も、日々のレセプト実務や点検業務の一助としてご活用いただければ幸いです。